LUFS とは?配信サービス別の推奨ラウドネス
配信で「音が小さい/歪む」の正体はラウドネス正規化です。LUFS の意味と、Spotify・Apple Music・YouTube での目安、True Peak との関係を整理します。
「配信に出したら音が小さくなった」「他の曲より迫力がない」。 この現象のほとんどは、ラウドネス正規化で説明がつきます。 鍵になるのが LUFS という単位です。
LUFS とは
LUFS(Loudness Units relative to Full Scale)は、 人間が感じる音の大きさに近づけて測った音量の単位です。 ITU-R BS.1770 という国際規格で計算方法が決まっています。
波形の見た目(ピーク)とは別物です。ピークが同じ2曲でも、 平均的にエネルギーが詰まっている曲のほうが LUFS は大きくなります。 「音圧が高い」と言われる状態は、だいたいこの値が大きい状態です。
3つの測り方
| 種類 | 測る範囲 | 使いどころ |
|---|---|---|
| Integrated | 曲全体 | 配信先の基準はこれ |
| Short-term | 直近3秒 | サビとイントロの差を見る |
| Momentary | 直近0.4秒 | 瞬間的な突出を見る |
配信サービス別の目安
各社が公称しているラウドネス正規化の目標値です。ここに合わせないと配信できない、というものではありません。大きすぎれば下げられ、小さすぎれば(サービスによっては)上げられる、という調整が入ります。
| 配信先 | 目安 | 備考 |
|---|---|---|
| Spotify / 配信全般 | −14 LUFS | もっとも一般的な基準 |
| Apple Music | −16 LUFS | Sound Check 有効時 |
| YouTube | −14 LUFS 前後 | 大きい音源は下げられる |
| 放送(ARIB / EBU) | −23 LUFS | テレビ・ラジオ |
| クラブ / DJ 用途 | −9 LUFS 前後 | 正規化されない前提 |
各社の仕様は変わることがあります。上記は公称値をもとにした目安で、 実際の挙動を保証するものではありません。最終的には配信先の最新の案内を確認してください。
「大きくすれば勝ち」ではない理由
配信側で正規化されるので、−6 LUFS まで詰めた曲も −14 LUFS の曲も、リスナーの耳には同じくらいの音量で届きます。 違うのは、詰めた曲のほうがダイナミクスを失っていることだけです。
つまり音圧競争は、配信の時代にはほとんど意味がありません。 目標値の少し下を狙って、ダイナミクスを残すほうが結果的に良く聴こえます。
True Peak と LRA
True Peak(トゥルーピーク)
サンプル間で実際に到達する最大値です。デジタル上は 0 dBFS を超えていなくても、 MP3 や AAC にエンコードした後で超えて歪むことがあります。−1 dBTP 以下に収めるのが安全な目安です。
LRA(ラウドネスレンジ)
曲全体の音量変化の幅です。小さすぎると平板に、大きすぎると聴きづらくなります。 ジャンルによって適正値は違うので、絶対的な正解はありません。
実際に測ってみる
スタジオに音源を読み込むと、 Integrated LUFS・True Peak・LRA がBS.1770 準拠の実測値として表示されます。 推定値ではなく、書き出すファイルそのものを測った値です。
Target ノブの横にある配信先チップ(配信 −14 / Apple Music −16 / 放送 −23 / Club −9)を押すと、 目標値がそのまま入ります。あとは「ターゲットLUFSに正規化」を ON にするだけです。
具体的な手順は Suno / Udio で作った曲を仕上げる方法 にまとめています。